県、輸送補助額を維持
流通条件不利性解消事業
【那覇支社】県農林水産部(島尻勝広部長)は、県産農林水産物を本土市場へ出荷する輸送費の一部を補助する「農林水産物流通条件不利性解消事業」について2019年度も現状の補助額を維持する。4日に正式決定した19年度当初予算案では、同事業に28億5418万6000円(前年度比7134万2000円増)を計上した。
補助額は、宮古島から県外へ航空輸送する場合、野菜・果樹・畜産物で1㌔当たり最大115円。花き・水産物で同140円。船舶の場合はモズク以外の全品目で同35円(輸送効率が良いモズクは同15円)を継続する。県によると、17年度の宮古からの輸送量は5151㌧、補助額は約2億9400万円だった。
県担当者は19年度も補助額を維持する理由について、輸送費の高騰が続いていることを挙げ「今時点での引き下げは事業者への負担が大きい」と説明。また、19年度予算案が増えたことについては「県外への出荷量が増えた実績を踏まえて算出した」と述べた。
同事業は、県産農林水産物を本土市場へ出荷する際、遠隔地で輸送費がかかる沖縄の不利性を解消するため、鹿児島までの輸送費相当額を補助するもの。12年度から10年間計画で国の一括交付金を活用して実施している。同事業の16年度経済波及効果は165億9500万円だった。