下地老福セ解体へ
老朽化で建物傾く/社協業務、上野と統合
下地老人福祉センターが昨年2月に実施した耐力度調査で、基準を下回り「危険」との判断を受けていたことが分かった。市では建物を解体する方針で、同センターにある社会福祉協議会の業務は、上野老人福祉センター内の上野社会福祉協議会に集約・統合される。市では同施設の解体向け、設置要綱の変更についての議案を市議会3月定例会に提案する。上野での業務統合のスタートは新年度からの予定。
市高齢化支援課によると、下地老人福祉センターは1981年に建設され築38年が経っている。
城辺を除くそのほかの老人福祉センターとも、ほぼ同時期に建設されているが、下地は海沿いの埋め立て地に建設され地盤が緩く他よりも建物への影響が出ているという。
さらに最近の台風や大雨の影響などもあり建物が海側に傾いた。同センターで働く職員によると、床に置いたボールは傾いた方向に勢いよく転がるという。
市の高齢者福祉計画および第7期介護保険事業計画では、日常生活の圏域設定が5圏域とされ、下地と上野は同一圏域となっている。
今回の統合は、建物の老朽化だけでなく、この計画にも沿ったものとしている。
地元からは「社協業務が上野に集約されることで、地域の多様なニーズにきめ細かく対応することができなくなるのではないか」などと懸念の声も上がっている。
同課では「相談業務については、下地庁舎の一角を利用してできるかどうかを現在検討している」と説明している。