與座、渡嘉敷さん優秀賞/県家保業績発表会
牛白血病、山羊飼養発表
【那覇支社】第45回県家畜保健衛生業績発表会(主催・県農林水産部)が12日、県庁講堂で開かれ、宮古家畜保健衛生所の與座明祥さんや渡嘉敷美波さんら5人が優秀賞を受賞した。発表会では、3部門で県内6機関が14演題を発表した。
第1部(家保の運営および企画推進業務)で優秀賞に輝いた與座さんは「宮古地域における牛白血病浸潤状況調査および農場内清浄化に向けた取り組み」の演題で発表した。
與座さんは、牛白血病ウイルスの感染で引き起こされる疾病の浸潤状況の把握や清浄化への取り組みを報告。疾病への理解を深める勉強会の開催のほか、母牛の全頭検査で陽性牛の分離や配置換えを指導したことなどを発表し、「一部の農場で全頭・定期検査の第一歩が始まったばかり。これらの農場で清浄化を達成し、地域のモデルとしたい」と強調した。
一方、第3部(自由課題)で優秀賞の渡嘉敷さんは「みゃーくピンザの生産性向上に向けて」のテーマで発表。宮古家保が実施した山羊農家の飼養状況の実態調査結果を報告し、「飼養管理技術や衛生意識の低さと高い事故率が認められた」と指摘した。
その上で、飼育目的や農家年齢に適した改善法を検討し、▽(農家が分かりやすいように)野草や有毒植物を宮古方言で記載した資料の作成▽野草の作付け法や刈り取り適期などの助言▽糞便検査▽去勢や除角の指導ーなどの取り組みを報告した。
表彰式を終え、與座さんは「牛白血病は農家にとっては対策が難しい病気だと思うが、今回の受賞を契機に、生産農家のためにも清浄化に向けて継続して地道に取り組んでいきたい」、渡嘉敷さんは「昨年に生産組合ができたことにより、農家と一緒に取り組んだ結果なので、引き続き農家と共に前進していきたい。県にも取り組みを知ってもらい良かった」と、それぞれ喜びを語った。
同発表会は、家畜保健衛生所などの取り組みの成果を報告、討議し家畜衛生の推進や畜産振興に役立てていくことを目的に毎年開催されている。