県知事賞に下地さん
おきなわ文学賞俳句部門/城辺西城出身
【那覇支社】第14回おきなわ文学賞(主催・県文化振興会)の表彰式が17日、那覇市内のホテルで催され、俳句部門で城辺西城出身の下地武志さん=浦添市=が最高賞の県知事賞(一席)を受賞した。2年連続の佳作(三席)入選を経て、3度目の挑戦で念願の栄冠に輝いた。
下地さんは「創作を行う中で、島人の心、悲しみや希望に思いを馳せ、沖縄に生を受けた者として、平和への希求を改めて考える機会となった」と話した。
下地さんの受賞作品(全5句)では、沖縄戦没者への弔いや米軍基地を抱える沖縄の現実などを創作のテーマにして詠み上げている。このうち1句では「慟哭を掻き抱く夏のレクイエム」、ほかの句では「星流る反基地の士の遺す海」と情感を込めて表現している。
今後について、下地さんは「守りたい美しい郷里を俳句に託したい。この賞を励みに、短歌や小説の分野にも挑戦していきたい」と意気込みを語った。
おきなわ文学賞は、県民の文学作品を広く公募・推奨することで沖縄の文学活動を奨励するとともに、県民文化の振興に役立てることを目的として2005年から実施されている。
今回は小説、シナリオ・戯曲、随筆、詩、短歌、俳句、琉歌、戯曲・学校演劇の8部門に県内外から252点の応募があり、人の作品が入選した。
下地さんらの入選作品は、「おきなわ文学賞」ホームページ内の作品集web版「はなうる」に掲載されている。