50頭規模の畜舎建設へ/宮古で計画、県が予算計上
【那覇支社】県農林水産部(島尻勝広部長)は2019年度予算案で、新たに離島地区で賃貸型の肉用牛集合畜舎を整備する「沖縄離島型畜産活性化事業」に1億4111万5000円を計上している。高齢化などで飼養戸数が減少している宮古島市で50頭規模の賃貸畜舎1棟を建設する予定。宮古での事業実施主体は宮古島市。
同事業は、畜産農家の高齢化による飼養戸数・頭数の減少が顕著な離島を対象に、賃貸型集合畜舎などを整備し、生産目標の維持・拡大を目指す。県と国が同事業費の90%を補助し、各自治体が事業主体となり、各農家と賃貸契約を結ぶ。
事業参加農家の要件として▽事業参加時の飼養頭数(母牛)が地域平均飼養頭数(宮古島市8・3頭)以下の畜産農家、兼業農家、新規就農者など▽畜産農家は、飼養頭数(母牛)の増頭計画がある者▽飼養頭数(母牛)に応じた規模の採草地を所有、もしくは確保が確実に見込める者-としている。
宮古島市畜産課によると、昨年7月に説明会を実施した結果、7件の希望者がいたという。入居開始は20年度を目指しており、建設予定地については現在検討しているという。
県畜産課は「宮古島市では飼養戸数・頭数共に減少しているので、同事業を利用し、家畜頭数を増やして、地域農業の活性化につなげたい」と述べた。
県では家畜頭数の増加に向け、これまで認定農業者を対象とした「畜産クラスター事業」などを実施してきた。今回、沖縄離島型畜産活性化事業では既存の補助事業の対象とならない小規模畜産農家に対して、設備投資なしで畜産経営に取り組める仕組みを構築することで、自立経営の誘導や家畜頭数の増加などを目指している。多良間村でも賃貸型畜舎の建設を計画しており、19年度の実施設計策定に向け調整している。