観光推進協設置へ/下地市長施政方針
国際化への対応も強調/重点施策に総合庁舎など
宮古島市議会(佐久本洋介議長)の3月定例会が4日に開会し、下地敏彦市長が2019年度の施政方針を表明した。重点施策として総合庁舎開庁に向けた取り組みの推進や積極的な観光のプロモーション活動に向け関係機関が連携した観光推進協議会組織の立ち上げ、伊良部屋外運動場の整備、台湾の長栄大学との交流促進など観光や国際化に向けた施策が示された。
施政方針の中で下地市長は、市政運営に当たっての基本的な考え方として①観光産業と農水産業による地域経済の自立的発展②美しい自然環境の保全と住みよいまちづくり推進③これからを担う人材育成の推進④安心して子育てができる環境づくりの推進⑤健康長寿に向けた地域福祉の推進-を挙げた。
重点施策としては、観光面で伊良部地域における地域振興施設整備など総合的な観光地整備のほか、下地島空港旅客ターミナルの供用開始に伴い、各地域の資源・魅力を生かした体験型観光商品などの創出事業に取り組むとしている。
暮らしの面では、入域観光客数の増加を見据えて、上水道については伊良部島における予備的水源の可能性調査、平良地下水流域の流域界特定調査など行いながら、新水源開発などを早急に進めるとしている。
将来を見据えたプロジェクト推進では、総合庁舎開庁に向けた作業の着実な推進のほか、スポーツを活用した人材育成と交流促進を図る施設として「伊良部野外運動場」の整備に取り組むとしている。
人材育成面では、学校の規模適正化の推進ほか、ICT環境の整備促進、分校設置に向けた取り組みを進める長栄大学(台湾)との交流促進で国際化に対応する人材育成が示された。
子育て面では、市以外での不妊治療の渡航費助成や待機児童解消に向けて認可外保育施設の認可化や既存施設の増築による定員拡大を図る。
組織機構については、教育部と生涯学習部の連携の強化を図り、効率的な事業施行を目指した「教育施設班」が新設される。
そのほか、地方交付税の引き下げなどを受け、市債発行の抑制による公債費負担の軽減や、新たな財源確保に向けたふるさと納税事業の推進が掲げられた。
下地市長は「今年は元号が変わり、新しい時代の幕が開ける。下地島空港ターミナルの運用開始など国際化に向けて大きく動き出す変革の年でもある。市が将来にわたり持続的に発展するためにも国際化に向けた取り組みを展開したい」と述べた。