受給世帯数が減少/生活保護
市、3億円の歳出削減
好景気、人手不足要因か
4日に開会した宮古島市議会(佐久本洋介議長)3月定例会に提案されている2018年度一般会計補正予算案の歳出には、生活保護世帯に支給される扶助費(保護費)を当初予算額から3億円削減させる減額補正が計上されている。5日に開かれた3月定例会での予算案に対する質疑で福祉部の下地律子部長はその理由について、被保護世帯数が当初予測を大幅に下回ったためと説明した。好景気や人手不足が要因ではないかとみられている。
18年度の生活保護費扶助費は、当初予算では19億5248万円が計上されていた。それに対し今定例会では3億円を減額させて16億5248万円とする減額補正が提案されている。
質疑では島尻誠氏がその理由について説明を求めた。それに対し下地部長は、18年度の被保護世帯数の見込みは過去5年間の平均伸び率から1カ月平均905世帯と想定し当初予算を計上したが、19年1月末現在での平均被保護世帯数は846世帯となっていることを説明。「生活保護の相談、申請、保護開始件数とも思ったほど伸びていなく、被保護世帯数が予測を大幅に下回っているのが最大の要因」との考えを示した。
市生活福祉課によると、過去5年間の生活保護費の扶助費総額と平均被保護世帯数の実績は、13年度が16億3373万円で803世帯、14年度は17億3425万円で840世帯、15年度は19億370万円で895世帯、16年度は18億8420万円で909世帯、17年度は17億8673万円で896世帯。扶助費総額では15年度、被保護世帯数では16年度をピークに減少傾向となっている。
生活保護延べ相談件数は15年度には271件、16年度は231件、17年度は216件といずれも200件を超えていたのに対し、18年度は1月末時点で124件。申請件数は15年度が132件、16年度は116件、17年度は99件だったのに対し、18年度1月末時点では45件。このまま推移すれば相談、申請件数とも18年度はこれまでの実績を大きく下回ることが予想される。
同課では、昨年から働きによる収入が増加したことを理由に生活保護の受給を終了する世帯が増えていることを説明。被保護世帯が減少している要因について「調査を行ったわけではないが、宮古島の景気回復や人手不足が影響しているのではないかと見ている」と述べた。
19年度一般会計当初予算案で生活保護費扶助費は、前年度比3億2824万円減の16億2424万円が計上されている。1カ月平均の被保護世帯数は807世帯と想定している。