災害時の備え学ぶ/市障がい福祉課
共生社会実現で講演
市障がい福祉課は9日、働く女性の家(ゆいみなぁ)で国立障害者リハビリテーション学院手話通訳学科教官で手話通訳士の宮澤典子さんを講師に招いて講演会を実施した。「共生社会の実現~だれもが守りあえる社会づくり~」という演題で行い、多くの市民が参加して被災当時の聴覚障がい者の現状や支援者の災害時の備えなどについて知識を深めた。
宮澤さんは地震や台風、豪雨など災害はいつ、誰の身に降りかかるか分からないことを説明。東日本大震災時は機能しなかった防災無線が多数あり「聴覚障がい者は知人と連絡を取り、助かった人が多かったが助からなかった人も多かった」と紹介した。
救援本部を立ち上げて安否確認や避難所を巡回し、周りの人に聴覚障がい者の存在を気づかせる目的でラジオで呼び掛けをした。
聴覚障がい者は自己申告をして「何かあったらメモをお願いする」ことなどで周りの人に対応を知ってもらう必要を強調した。
宮澤さんは、防災意識を高め情報アクセスを整備し「助け合いながら暮らす。多様性を認め支え合えるまちづくり」の実現に向けて話した。