U・Iターンを奨励/過疎対策「何でもやる」
伊良皆村長が施政方針/多良間村議会開会
【多良間】多良間村議会(森山実夫議長)3月定例会が11日開会し、伊良皆光夫村長が2019年度の基本方針や政策についての姿勢を示す施政方針を表明した。伊良皆村長は過疎化対策について「U・Iターン奨励のためには『何でもやる』との姿勢で取り組んでいく」と強調。全国の成功事例を参考にしながら「子育て世代の支援や若者定住施策を推進し国営事業の実現など、雇用の創出を目指していく」と決意を示した。
村の総人口は今年2月末時点で1169人。前年同時期の1174人に比べ5人少なくなっている。
同村住民福祉課によると、2000人を超えていた昭和40(1965)年代以降、年々減少傾向になっているという。
伊良皆村長は施政方針で、「少子高齢化、人口減少社会が急速に進展するなど、より一層の創意と工夫を凝らした村政運営が求められている」と指摘。これまでも定住促進や子育て支援などでU・Iターン者が増えつつあるとして、引き続き対策に取り組んでいく方針を示した。
施政方針ではまた、天候に左右されない農業の確立を目指し、サトウキビの反収アップと品質向上に取り組むとしたほか、葉タバコは老朽化した共同乾燥施設の整備で作業効率が上がると期待した。
畜産振興については「優良種雄牛を計画的に交配し、増体良く肉質の優れた素牛生産を奨励する」とし、山羊については「肉用のみでなく、観光との組み合わせで経済効果が生まれるような取り組みが必要」と述べた。
観光産業については食やサービスなど、多良間ならではの体験や提供が不十分だと指摘。その上で「宿泊施設や食事、通信、交通など受け入れ環境の整備を進めていく」とした。
伊良皆村長は「想像力、判断力、行動力で変化できる行政の推進」を掲げ「自分たちの村は自分たちでつくる」という意識付けが重要だと指摘。「行動のないところには何も生まれない」と述べチャレンジ精神を呼び掛けた。
施政方針ではそのほか「学び合いと地域が育む人づくり」「健康で生きがいを持って安心して暮らせる村づくり」「安心、安全、快適な生活を営む基盤づくり」などを示し「時代の変化を的確に捉えながら、未来に責任を果たす村政運営を心掛けていく」と表明した。