パヤオ3基設置へ/県農水振興センター
豊かな漁場形成期待
県宮古農林水産振興センターはきょう12日、宮古島北西沖に人工の浮力体でカツオやマグロ、シイラなどの回遊魚を集める効果を発揮する中層型浮き魚礁(パヤオ)3基を設置する予定。今後の豊かな漁場形成が期待されている。
2018年度水産環境整備事業で実施。3基を合わせた総事業費は7400万円。今回の3基は既設の中層型浮き魚礁3基が老朽化しているため、取り換え更新となる。宮古では、県が所有するパヤオは3基更新で計18基となる。
浮き魚礁はパヤオと総称され、海面に浮かぶ表層型浮き魚礁と海面下に浮かぶ中層型浮き魚礁がある。浮体にはFRP製の浮き球が数十個取り付けられている。
今回の同魚礁に装備される緑色浮き球は1基当たり81個で、浮き球直径は45センチ。海面下30メートルに浮かべる。水深1000~1600メートルの海底にコンクリート製の重りを沈め、その重りにつないだロープを同魚礁に結びつけて固定化する。
パヤオは1982年、当時の伊良部町と伊良部町漁業協同組合が日本では初めて宮古近海に設置した。その後県内や九州へと普及し、今年で37年の歴史がある。
中層型浮き魚礁は表層型浮き魚礁と比べて安全性が高い。加えて潮流や波の影響が少なく、耐久性に優れている。
同センター漁港水産班の金城紳平主任は「宮古の漁師が今回更新する中層型浮き魚礁を継続利用し、水産業の発展につなげてほしい」と期待を寄せた。