イノシシ被害が深刻
城辺長北
保良ではクジャク目撃
イノシシによる農作物被害の広がりが懸念されている。城辺長北の一部ほ場では、畑が掘り起こされ、サトウキビが根元から倒れてしまうという被害が見られる。今年度は2月末時点で前年度並みの35頭を捕獲したが、生息数は50頭を超えるという見方が強い。クジャクが野菜を食い荒らすといった被害報告もあり、より効果的な鳥獣駆除が求められそうだ。市は19日の市議会一般質問で、生息数調査や猟友会会員の増員に取り組む方針を示した。
市農政課によると、城辺の北海岸線の林野でイノシシの目撃情報が多い。
城辺保良地区にあるゴルフ場にも出没しているといい、行政や猟友会による捕獲作業がイノシシの繁殖の速さに追い付いていない実態があるとみられる。
農政課によると、イノシシは、地中にいる昆虫の幼虫などを食べるために土を掘り起こすという。その際に、サトウキビが根元から倒れてしまっているのではないかとみている。
実際、現場のほ場に入ると、複数のサトウキビが倒れている様子が分かる。
駆除は、わなで捕獲する方法が主流だ。今年度も30頭以上を捕獲する成果を挙げている。ただ、今も50頭以上の生息が推測されており、駆除はいたちごっこの様相を見せ始めている。
一方、クジャクによるものとみられる被害も城辺保良で確認された。80代農家が栽培するニンジンの葉が食い荒らされたという。
クジャクは雑食性で生態系に与える影響が懸念される。イノシシ同様に効果的な駆除が求められる。
市は次年度も鳥獣駆除に取り組む。19日にあった市議会一般質問で、松原清光農林水産部長が生息範囲を報告。イノシシは城辺保良から平良高野にかけての北海岸一帯で、クジャクは宮古島全域に及ぶとした。
その上で松原部長は「県が実施する有害鳥獣被害対策調査で個体数を調査している。駆除は、県猟友会に委託することになるので会員の増加に向けて取り組んでいる」と述べた。
狩猟免許初心者講習会の宮古島市開催も要望しているといい、猟友会の会員を増やして駆除対策を拡充させる方針を示した。