県、観光目的税を導入へ/検討委が意見書提出
【那覇支社】県が観光振興を目的に2021年度までの導入を目指す新税「観光目的税」について20日、有識者や業界代表者らによる検討委員会(委員長・下地芳郎琉大教授)が、これまで協議した内容をまとめた意見書を県に提出した。目的税の税率を宿泊料金に応じた2段階の定額制とすることや、名称を「宿泊税」にすることなどが盛り込まれた。新たな税収は約57億円が見込まれている。
観光目的税は、世界レベルの観光リゾート地として沖縄を発展させるため、観光客受け入れ体制の充実と強化を図ることが目的。課税対象は、下宿営業を除く県内のホテルや旅館、簡易宿所の宿泊者とし、学校が主催する修学旅行に参加する児童や生徒については、海外校を含めて課税免除としている。
税額は、1人1日当たり素泊まり料金2万円未満の場合は1日200円、2万円以上は同500円の段階的定額方式。宿泊料金と日数に対して課税することで、納税者の負担能力に応じた徴収が可能となる。
導入の時期について県は、来年の東京オリンピック開催なども踏まえ現行計画の「2021年度までの実施」から早めたい意向だが、担当者は「条例制定までの協議や周知期間なども必要。(時期は)明確には分からない」と話している。
県では、昨年9月から関係者らで構成する検討委員会に協議を依頼し、分科会を含め計6回の会合を開催。導入の必要性や目的、税収の管理運用方法、使途の考え方などについて協議してきた。
今後は、県の各部局長らで構成する「県法定外目的税制度協議会」で条例案を決定し、県議会で可決後に総務大臣の同意と周知期間を経た上で実施される。
宿泊税は、すでに東京都、大阪府、京都市で導入されており、金沢市でも新年度から施行する。税率は、いずれも2段階制を採用している。