保育士賃金 日額1万円に/宮古島市
現行より1200円アップ/県内最高水準に引き上げ
宮古島市が公立保育所及び認定こども園で働く保育士(臨時職員)の賃金を引き上げる。改定後は日額1万円となり、現行と比べて1200円の大幅増。県内最高水準額となる。必要な予算を市議会3月定例会に提案しており、認められれば4月から適用される。不足する保育士の確保と子育て環境の充実を図る。
市では保育士の絶対数が不足している。園児の入所調整と絡むことから数字は日々動いているが、保育士の確保は市の重要課題に位置付けられている。
現行の賃金は、資格取得月から5年以上経過していれば日額8800円、5年未満なら8200円が市の規則で定められている。
この規則を4月1日から改め、原則としてクラスの担任を受け持てば日額1万円に。クラス担任以外は同9400円となる。
これまで宮古島市の賃金は県内11市中、民営化された南城市を除いて下から2番目の低さだったが、市議会で関連する予算が認められれば、糸満市に次いで2番目に高い賃金(昨年9月時点の調べ)となる。
賃金の引き上げは2年連続で、保育士の確保に向けた市の力の入れようが施策に表れている形だ。
賃金だけでなく、島外から訪れる保育士には渡航費を助成。県内からの場合は25万円以内、県外からの場合は30万円以内を上限に旅費や引っ越し代金の実費を市が負担している。
市は新卒者のほかに、有資格者で保育業務に就いていない「潜在保育士」の掘り起こしにも努める。
潜在保育士が復職する場合、県社会福祉協議会が実施する準備資金貸付制度を利用できる。現行の貸付額は40万円以内で、2年間保育士を務めれば返済は全額免除。こういった優遇制度もアピールしながら保育環境の充実を図る。