新調の獅子頭に入魂/松原自治会
神事のっとり100年ぶり
平良松原自治会(松原正人会長)は獅子舞で踊る雌雄一対の獅子頭を約100年ぶりに新調し22日、同自治会公民館で「入魂式」を行った。関係者が見守る中、宮古神社の神主が神事にのっとって木彫りの獅子頭に魂を吹き込んだ。
新しく造り替えた獅子頭は5代目。4代目は1912(大正元年)に制作され、海神祭で獅子舞を披露し航海安全や大漁を祈願してきた。
入魂式には自治会役員や司、獅子を彫った獅子工らが参加。松原会長は「きょうはめでたい日。獅子舞を通して自治会がますます発展していけば」と喜んだ。
獅子工の仲宗根正廣さん(沖縄市在)によると、獅子頭は県木のデイゴの木を使用した。自治会から依頼を受け構想を練り、約4カ月掛けて制作。「若干の修正はあるが、昔の獅子に似せるようにした。目が丸くくりくりして可愛らしいが、見る角度や踊り手によって表情が猛々しくなる」と話した。
松原の獅子頭は、市の有形文化財に指定されている。自治会の守り神として公民館に保管され、旧5月4日の海神祭でお披露目される。
制作費用は「明治安田クオリティ・オブ・ライフ文化財団」の助成を受けた。同財団は、民族芸能など、地域の伝統文化の保存や後継者育成などを支援している。
なお、役目を終えた古い獅子頭は、公民館の一角に安置される。