計画を大幅に上回る/市の財政状況
当初予算比72億円増
市議会一般質問・当局 「社会状況の変化」
宮古島市は26日、2019年度一般会計当初予算額(404億3500万円)が、第2期中期財政計画に定めた額と比べて72億円上回っているという現状を示した。大きな比重を占める普通建設事業費は計画比35億円の増額。物件費や市債、繰入金も増えている。市は「社会状況の変化」等を増額の理由に挙げ、毎年決算後にローリング(年度ごとの予算の再検討)して現実に即した予算編成を行っているという。開会中の市議会(佐久本洋介議長)3月定例会一般質問で、國仲昌二氏の質問に宮国高宣総務部長が答えて分かった。
中期財政計画は2014年度に策定された。計画の期間は15年度から20年度までで、決算ベース上の財政計画が示されている。
國仲氏は一般質問で「計画に沿って財政運営がなされると思うが、その額はどうなっているか」と計画内の予算の推移を問うた。
これに対し宮国総務部長は「期間内において、決算後に毎年ローリングして毎年度改訂版として見直しをしている」と答弁。計画策定時の19年度決算見込み額は332億円だったが、17年度改訂版における見込み額は392億円に増額されていることを説明した。ローリング後の改訂版は未公表だったが、今後は「公表する」と明言した。
その上で、19年度当初予算額と中期財政計画策定時との差額について「約72億円となっている」という現状を示した。普通建設事業費の差額は「35億6100万円の増」と明かした。
再質問で國仲氏は、物件費や市債、繰入金における中期財政計画策定時と現状の比較の開示も求めた。宮国総務部長が答弁し、▽物件費約25億円増▽市債約18億円増▽基金からの繰り入れ約19億円増-とした。
國仲氏は「これだけ乖離があると、もはや計画とは言えないのではないか。これからは公表するということだが、市民にもしっかり説明できるような計画が必要だ」とくぎを刺した。
宮国総務部長は「当時と今の社会状況の変化、その他の要因でいろいろな影響が出ている。これは普通建設事業についても相当な影響がある」と増額の理由を説明した。中期財政計画終了後、21年度を初年度とする長期財政ビジョンの策定を計画しているとし「予算を確実に執行できるような形で対応していきたい」と答弁して理解を求めた。