議長職権で発言取り消し/市議会が正常化
上里氏は謝罪、撤回もせず
前日に「市役所は市民を罪人扱いした」などと一般質問で述べた上里樹氏の質問の内容で紛糾し、流会となった市議会(佐久本洋介議長)3月定例会は28日、佐久本議長が上里氏の問題となった発言を不穏当と認め、議長職権でその発言を取り消し正常化が図られた。しかし、今回の発言について上里氏の謝罪も撤回もないままでの再開に、真栄城徳彦氏が疑問を呈して議場から退場する一幕もあった。
議会冒頭、佐久本議長は「昨日の発言の中で(上里氏から)『市民を罪人扱いして』との発言があった。当該発言は不穏当と認めるので地方自治法129条の第1項目の規定により議長職権により発言の取り消しを命じる」として発言を取り消した。
しかし、上里氏が問題となった発言に対して謝罪も撤回も無いまま議会が再開したことに真栄城氏は「前日の流会は何だったのか」と問題視した。
結局、下地市長も前日の会見で上里氏の謝罪と撤回が無い場合は議会に出ないとしていたが、この日の本会議では冒頭から出席した。
正常化が図られたことについて、佐久本議長は「前日の議会終了後に与党には議会を正常化したいので協力を呼び掛けて理解を得られた」と述べた。
また、自らが議事運営をする中で下地市長が議場から出て行こうとした行為について「それは良くないが、休憩を取ってその間に出たので別に問題はしないが、今後は注意したい」と話した。
この議会から出ようとした行為について、下地市長はこの日のマスコミの取材には「引き上げるつもりはなかった。パフォーマンスだった」としている。
市議会与党議員団会長の棚原芳樹氏は「議長からお願いもされたし、新年度予算もあるのでまずは予算案を通すことを優先させた」との見解を示した。
地方自治法129条では「普通地方公共団体の議会の会議中この法律又は会議規則に違反し、その他議場の秩序を乱す議員があるときは、議長は、これを制止し、又は発言を取り消させ、その命令に従わないときは、その日の会議が終るまで発言を禁止し、または議場の外に退去させることができる」としている。