臨時職の欠員78人/宮古島市
応募少なく2年連続/一部公的業務に支障も
市の臨時職で、78人もの欠員が生じている。2019年度は428人募集したが、採用は350人。市長部局で61人、教育委員会で17人足りない。欠員によって勤務時間が不規則な空港や幼稚園で働く職員の業務に支障が出るという。慢性的な人手不足の影響が、公的機関にも及び始めた。臨時職の欠員は2年連続。
市によると、19年度は市長部局で273人、教育委員会では155人の臨時職員を募集したという。
ただ、応募が少なく、最終的な採用者は市長部局で212人、教育委員会で138人にとどまる。
市長部局における職種ごとの欠員は、一般事務職で17人、保育士・幼稚園教諭で23人、幼稚園教諭が休んだ場合の代替要員や調理員などが18人、その他技術作業員3人となっている。
欠員によって、一部の公的業務で支障が出る恐れがある。空港管理は3交代制で回しているが、従来のローテーションが組めないため職員の負担が増す。
幼稚園の現場でも、十分な代替要員を確保できなければ、休日が取りにくい労働環境を強いられる。
欠員は前年度も26人生じているが、70人を超える欠員は「経験がない」(市総務部)という。宮国高宣総務部長は「ここ数年、民間で働く人が増えているのではないか」とみている。
求職者が民間へ流れる要因の一つに賃金がある。臨時職員の賃金は一般の事務職で日額6500円。1カ月で、仮に22日働いたとしても14万3000円と決して高い賃金ではない。
近年の建設ラッシュに伴う景気で、宮古管内の有効求人倍率は1・70倍(2月速報)と高止まりの状態が続く。仕事が選べる上に賃金も比較的高いという雇用環境が、求職者を役所から遠のかせているようだ。
市は、随時臨時職員を募集している。また、人材を確保するために賃金増額の検討に入る。市の試算によると、一般事務職の日額を500円増の7000円に引き上げた場合、社会保険料を含めた市の負担は5380万円増えるという。