牛、豚のと畜伸びる/18年度食肉センター
需要高まり、消費拡大
第3セクター宮古食肉センター(岡村幸男社長)は5日までに、2018年度のと畜実績をまとめた。主流の牛は334頭、豚は642頭とそれぞれ前年度の実績を上回り、需要の高まりと消費の拡大を印象付けた。ただ、依然として計画と畜頭数には及ばず、厳しい経営に変わりはない。
同社のまとめで、牛は前年度比7頭増えた。と畜頭数の7割がJAの肥育センター、残りは民間から持ち込まれているという。
旺盛な観光需要と比例するように、牛のと畜頭数はここ数年伸びている。と畜後の肉は島内のホテルや飲食店が仕入れており、新鮮な宮古牛として引き合いも強いという。観光客の増加が、消費の拡大に拍車を掛けているようだ。
豚は前年度と比べて62頭増と大幅に伸びた。要因は養豚技術の向上。行政のてこ入れで立ち上げられた養豚団体が機能し、子豚の死亡が減って、と畜頭数に反映されたとみられる。
ヤギは80頭減と前年度を大きく下回ったが、同社では「需要はある」とみていて次年度以降のと畜に期待を込める。山羊生産流通組合が立ち上げられていることもプラス要因に挙げた。
と畜実績を伸ばしている半面、大幅な収益増は見込めない。重油の値上げや設備のメンテナンスといった施設運営にも大きな支出を強いられており、経営は依然として厳しい状況だ。
食肉センターはJA宮古家畜市場の東側にある。16年に新しく造られた。第3セクターで、所有株式数は10万株。主な株主は沖縄振興開発金融公庫、県農業協同組合、宮古島市、県食肉センターで、沖縄公庫が最多3万株を所有(所有割合30%)している。