「辺野古」に理解求める/前原外相
基地周辺施設移動も検討
【那覇支社】17日の菅直人首相訪問に引き続き21日、前原誠司外相が沖縄を訪れ、仲井真弘多知事、テリー・ロブリング在沖四軍調整官と相次いで会談した。那覇市内のホテルで行われた仲井真知事との会談で前原外相は、民主党が昨夏の衆院選で米軍普天間飛行場の県外移設を唱えて政権交代を果たしたものの、鳩山政権下で県内移設に回帰したことについて「期待された沖縄県民に心からおわびを申しあげたい」と陳謝した。その上で同案への理解を知事に求めた。
また、記者会見で前原外相は同基地周辺の危険性除去について、「小学校、病院など具体的施設の移動について要望してほしい」と仲井真知事に伝えたことを明らかにした。
前原外相は5月28日の日米合意の理解を仲井真知事に求めたが、知事は「日本全体で解決を見いだして頂きたい。県民と約束したので、ぜひ受け止めて頂きたい」とあらためて同基地の県外移設を要望。「沖縄以外の地域を探してもらう方が早いのではないかというのが私の考えだ」と述べた。
また、仲井真知事は嘉手納以南の基地返還や海兵隊8000人のグアム移転などについては「パッケージ」ではなく普天間と切り離して交渉することを前原外相に要望した。
帰任前に開かれた会見で前原外相は、在沖米軍基地問題と仲井真知事から要望のあった新沖縄振興法、軍転特措法に替わる新法の立法化や沖縄向け一括交付金などの振興策については、切り離して政府対応する趣旨を強調。「内閣の一員として、また、沖縄政策協議会のメンバーとして、しっかり取り組んでいく」と述べた。