市総合庁舎 建設に着手
総事業費は105億円/分庁解消、21年開庁へ
2021年4月の開庁を目指す市の総合庁舎建設工事が25日、起工した。建設費で94億円余、用地購入費を含む総事業費は105億円に及ぶ大型公共工事が動き出した。同日午後に開かれた安全祈願祭には、下地敏彦市長ほか施工業者の代表らが出席して工事の安全を祈願。併せて総合庁舎を中心とした新しい街づくりに期待を込めた。
総合庁舎整備事業は市のリーディングプロジェクトの一つ。2005年の市町村合併以降続く現行の分庁舎方式を解消し、窓口機能等を統合して行政運営上の効率と利便性を高める。
建設現場は市の消防本部北側で、敷地面積は3万5664平方㍍。建築面積は9400平方㍍となる。
建物は鉄筋コンクリート造りの3階建てで保健センターを併設する。延べ床面積は2万502平方㍍。
駐車場は来庁者用、公用車用ともに200台ずつを確保する整備計画だ。
建築1工区は、庁舎棟と保健センター、議会棟を造る。電気機械設備も組み入れられている。大米建設が受注しており、請負金額は86億5600万円。
車庫棟を造る建築2工区の契約金額は8億1200万円。受注は尚輪興建。
工期は20年10月30日までとなっており、21年4月の開庁を予定している。
25日の起工式は総合庁舎建設工事施工協力会が主催した。下地市長ら市の関係者や施工業者の代表らが参加し、くわ入れや玉串奉てんを行い、期間中の工事の無事故無災害を祈った。
大型公共事業の起工を迎え、下地市長は「長年の懸案だった事業を着工することができた。合併後は分庁方式で市民に不便をかけてきたが、完成後は利便性が飛躍的に向上する」と総合庁舎の利点を強調した。その上で「各種申請など行政システム及びサービスが向上するほか、場所が宮古の中心に位置しているので旧郡部の市民にも利用しやすくなる」と述べた。
総合庁舎を中心とする新しい市の街づくりにも言及し、「この庁舎を中心とした都市計画を作らなければならないと考えている。新しい街、城下町づくりに取り組む」と意欲を見せた。