動植物の生態を紹介/市教委
市史「みやこの自然」発刊
市教育委員会(宮國博教育長)は宮古島市史としては3巻目となる自然編(第1部)「みやこの自然」をこのほど発刊した。26日には市役所城辺庁舎で関係者が会見を開き、宮古島の動植物の生態をオールカラーで分かりやすく紹介し、多くの市民や関係者にとって親しまれる内容ととなっていることを報告しながら、島の知的財産としての役割を担うことにも期待を寄せた。
宮國教育長は「本書が市民だけでなく自然科学研究の分野で広く活用され、多くの皆さんに読み継がれていくことを願っている」と述べた。
自然編第1部は、地形・地質▽海域の生物▽陸域の植物▽陸水域の動物▽自然環境の現状と保護・保全-の5章で構成されている。
市史編さん委員会の下地和宏委員長も「第3巻目となる市史がこうして皆さんに届けられることをうれしく思う。今後もいろいろな分野で市史編さん作業を予定しているので、この事業が今後も着実に進められることを願っている」と述べた。
さらに、自然編の久貝勝盛委員長は「約7年の年月を経て宮古のすべての自然を網羅した本書が完成した。地域の自然すべてをくまなく調査研究した今回のような事例は県内には無いと思う。この本は県内すべての市町村の見本になると自負している」と話した。
久貝委員長によると、本書の作成には延べ38人の研究者が関わっているほか、注意した点については▽高校生にも分かるような文章にする▽楽しんで理解が深められるようにフルカラーで写真、図表等をふんだんに活用▽難しい専門用語も分かりやすく説明-の3点を挙げた。
今回の自然編は、400部発刊され、230部が宮古地域の小中高校のほか、県内の図書館など関係機関に寄贈されるほか、170冊は市内のブックスきょうはん宮古南店、TSUTAYA沖縄宮古島店で税込み5000円で販売さている。
市史は、2012年に第1巻の「通史編」、第2巻となる「祭祀編」(上巻)が2018年に発刊されており、今回が3巻目。
今後は、20年に「祭祀編」の下巻、21年に「自然編」の第2部(自然と人との関わり)の発刊を予定している。