給料少なく親に頼る/宮古島市
自立にはほど遠く/家計簿で見る19年度予算
宮古島市は2019年度一般会計当初予算を、年間に必要な生活費500万円の家計に置き換えて算出した。それによると、年間収入は給料(市税)が66万円、パート収入(負担金・使用料など)は18万円と少額で、支払い(支出)のほとんどを親(国、県)からの仕送りで賄っている。自立にはほど遠い状況で、依然として苦しい生活状況が続いている。預貯金残高は209万円、ローン残高は515万円。
市民に市の予算を身近に感じさせて関心を持ってもらおうと毎年、家計簿に置き換えて紹介している。
市の19年度一般会計当初予算は404億3500万円の過去最大を更新。当初段階で初めて400億円を超えた。財政計画に定められた332億円と比べ72億円上回っている。
市は今回初めて、財源不足を補うために財政調整基金から13億3700万円を取り崩して一般会計に繰り入れた。
このような市の財政状況を家計簿に見立てると、収入で最も多いのが親からの仕送り162万円(32・4%)、次に親から特別にもらう仕送り146万円(29・2%)で、年間生活費(500万円)の約62%を占めている。
給料(市税)66万円に対し、ローンの借入(公共事業などの資金として長期に借り入れる市債)が70万円と、身の丈に合わない高価な物を買っている。
一方、支出を見ると食費(市の予算項目では人件費)が71万円(14・2%)、光熱水費・通信費(非常勤職員の賃金や職員の出張旅費、備品購入費などの物件費)は83万円(16・6%)となっている。
食費を抑えたり光熱水費は無駄を省いたりして節約に努めているが、自宅(公共施設など)の増改築や修繕費が前の年度よりも増え家計を圧迫している。
また、医療費や保険料など(扶助費=住民福祉を支える経費)も費用がかかっている。
少ない収入で生活をどう維持していくかという大きな課題を抱えているにもかかわらず、年間25万円を子供への小遣いなど(各団体の活動支援や農林水産関係への補助金)に充てているほか、ローンの返済(公債費)として49万円を支払っている。
預貯金は今年度、自宅の増改築などに充てるため初めて取り崩した。
ローンの残高は前年度に比べて減少したが、依然として多額の借金を背負っている。