「農林27号」全体の6割/18-19年産キビ品種別搬入
品質良く糖度14度台/新品種増え、分散傾向
宮古本島製糖2工場はこのほど、2018-19年産サトウキビの品種別搬入実績をまとめた。農林号が最も多く全体の6割以上を占めている。品質も良く14度台だった。一方、「農林33号」とも呼ばれる新しい品種「RK97-14」を使う農家も増えている。前期は農林27号が7~8割を占めていたが、少しずつ品種の分散が進んでいる。
沖縄製糖と宮古製糖のまとめで分かった。沖糖宮古工場は4月16日、宮糖城辺工場は同月17日に今期の原料搬入を終えている。
沖糖は今期、12万2000トンを搬入。このうち農林27号は7万5300トンと全体の61%を占めた。その次に多いのが「その他」で14%弱。RK97-14が7・33%で続いている。農林25号は7・44%、農林21号は7・27%の比率だった。
品質は農林27号が14・13度と高い数字に。農林22号の14・27度に次いだ。そのほかは13度台だった。
一方、宮糖城辺工場でも農林27号が断トツだった。6万900トンを搬入し、全体搬入量9万6000トンに占める割合は63%に達している。次に多いのが「その他」で12%。農林21号が10%台で、RK97-14は7%弱だった。
品質は農林27号が14・14度と高く、農林15号の14・19度に次いで良かった。農林8号が14・02度、農林21号は14・01度だった。
前期と同様に、農林27号を栽培する農家が多いことが分かった。半面、茎が長くて太く、反収が他品種より優れているRK97-14が徐々に浸透してきたことも数字が裏付けている。
前年に植えられた夏植えに加え、来期に向けて株を立てる農家も出てくることから、RK97-14の使用比率はさらに伸びそうだ。
ただ、気象条件等を加味する必要はあるが、RK97-14は品質面で農林27号に比べてやや劣ることと「茎数が思ったより少ない」という声もある。反収で強みを持つRK97-14を、現場の生産農家がどう評価していくのか注目される。
全体的に品種の分散が進んでいることは良い傾向と見る向きが強い。同じ品種に偏ると、病害虫被害がまん延しやすいことや台風などの自然災害時に大きなダメージにつながることが懸念されるためだ。RK97-14のみならず、ほかの奨励品種並びに「その他」を含めた分散が求められる。