「がん診療院」、指定外に/宮古病院
早期の復帰目指す
厚生労働大臣が一定の要件に基づいて指定する「地域がん診療病院」から県立宮古病院が外されていたことが分かった。現在、早期の再指定に向けた作業を進めている宮古病院側は「指定を外れたことで補助金が支給されない問題はあるが、患者に対する診療や医療サービスの影響はないので安心してほしい」と話した。
地域がん診療病院とは、都道府県の推薦を基に厚生労働大臣が指定した病院。隣接する地域のがん診療連携拠点病院のグループとして指定され、拠点病院と連携しながら、専門的ながん医療の提供、相談支援や情報提供などの役割を担っている。
県保健医療部健康長寿課によると、今回の指定外は厚生労働省が昨年見直したした整備指針で、必要な要件を宮古病院が満たしていなかったことが原因で4月に指定外となっていた。
今回の指定外に伴い宮古病院にはこれまで指定により受けられていた約400万円の補助金が支給されない見込みとなっている。
改正された指針では、緩和ケア外来の窓口を設置して各種相談に応じることが求められていたが、宮古病院ではそれが未設置だったとしている。
同病院は「これまでは既存の緩和ケアチームで患者の相談対応などを行ってきたが、窓口は設置していなかった。すでに担当者も決めているので来月中には窓口を設置する予定」と話した。
さらに「今回の指針の見直しは国としても充実強化を図ったものであり、指針通りに窓口を設置することで充実した医療サービスが提供できると考えているのでよい機会だったともとらえている」と述べた。
また、同課も「できるだけ早い時期に再指定されるよう病院側とも連携を図り、しっかり体制を整えたい」との見解を示した。
県内では、琉球大学医学部付属病院が都道府県がん診療連携拠点病院に、県立中部病院と那覇市立病院が地域がん診療連携拠点病院に、北部地区医師会病院と県立八重山病院が「地域がん診療病院」に指定されている。