製糖操業が長引く/宮糖伊良部工場
天候の影響でずれ込む
宮古製糖伊良部工場の製糖操業が長引いている。サトウキビが計画通りに収穫できないことが要因。機械刈りが急増し、天候の影響をもろに受けている。工場は12日か13日の搬入終了を予定しているが、天候次第ではさらに後ろにずれ込むことが予想される。収量や品質の低下を懸念する農家の声が強まりそうだ。
宮糖伊良部工場では、大豊作だった2016-17年期に5月26日まで続けているが、このときの生産量は7万6000トンと今期予想される生産量5万トン前後とは比較にならない。昨期は4月28日に終えている。
長引く要因は機械刈りの急増と天候。雨が降るとハーベスターがほ場に入れない(収穫不可)ため、サトウキビを当初の計画通りに搬入できていない。
伊良部地区では収穫面積に占める機械刈りの割合が7~8割に及ぶ。16~17年期は全体の51%と半分が手刈りだったが、ここ2~3年のうちに一気に機械刈りが浸透している。
この収穫体系の変動が工場における慢性的な原料不足を引き起こしている。9日現在、工場は12日か13日の搬入終了を予定しているが、10日は雨が予報されているため、さらに後ろにずれる可能性もある。
搬入期間が延びて懸念されるのが収量と品質の低下だが、ここ数日の平均糖度は14度台と高い。今期の累計平均糖度が13度台にとどまるため、実績の上では品質の低下は見られない。
収量の増減に関するデータはない。ただ夏植え一辺倒だったころ、収穫期が長引くと目立った立ち枯れ被害の広がりはない。株出しの急増が収量の落ち込みを抑えているとみられる。
それでも農家の心配は尽きない。現場では「もうキビがもたない」「ちゃんと収穫してくれるのか」という声が聞こえており、1日も早い製糖期の終了が望まれている。