犬の殺処分大幅減/宮古保健所管内18年度
前年度の4分の1に/ボランティア団体が貢献
県宮古保健所管内における2018年度の犬の収容状況(速報値)によると、終末処分(殺処分)の頭数は前年度の16頭から大幅に減って4頭になったことが分かった。同所によると、島内で収容された犬の譲渡活動を展開するボランティア団体の取り組みが大きく貢献しているという。一方で、同年度の収容頭数は増加していることから、野犬増加の要因の一つでもある「放し飼いをしない」など、飼い主に意識の高揚を呼び掛けている。
同所管内における犬の捕獲・保護数は年間100~200頭台で推移してきたが、14年度と15年度は300頭台に増加した。
それに伴い、14年度からは年間の殺処分件数も300頭を超え、15年度は325頭となり、これは東京都の1年間の処分件数を上回っていた。
こうした状況を打開しようと、民間ボランティアが立ち上がり、収容された犬を島内外に譲渡する活動が16年度ごろから本格化してきた。
同保健所と連携した取り組みで16年度の終末処分件数は、前年度の325頭から大幅に減少し141頭となった。
さらに、活動が充実してきた17年度の処分頭数は16頭にまで減り、18年度はさらに4頭にまで減らすことができた。
同所によると、18年度の終末処分4頭のうち、3頭は収容後に衰弱等で死亡。実際に沖縄本島に送って殺処分されたのは1頭のみだったという。
一方で、こうしたボランティアと保健所の取り組みをよそに、管内の捕獲・保護数はいまだに高い数値で推移している。
同所管内の捕獲・保護頭数は、16年度が280頭、17年度が272頭とほぼ横ばいだったが、18年度は301頭と再び300頭台に増加している。
同所では「ボランティア団体の活動のおかげで殺処分は大幅に減少しているが、捕獲や保護で収容される頭数は増えている。収容される野犬が増える要因の一つでもある放し飼いをやめることと、飼い主には避妊、去勢についても真剣に考えてほしい」と訴えている。