誘導弾運び込みにおわび/防衛省
野原住民「信用できない」
地域住民に事前説明がないまま陸自宮古島駐屯地に迫撃砲などが保管されていた問題で、防衛省は9日、野原公民館で住民説明会を開いた。同省防衛計画課の末永広課長は「今まで明示的に説明してこなかった中距離多目的誘導弾と迫撃砲弾を駐屯地に運び込んだことをおわびしたい。誠に申し訳ありませんでした」と住民に謝罪した。住民からは「謝って何になる」「全く誠意がない」などと怒りの声が上がった。
参加者の男性は「住民は疑心暗鬼だ。まだ隠していることがあるのではないか。丁寧な説明をすると言うのならば、足しげく通って説明してほしい」と再度、説明会の開催を求めたが、末永課長は「持ち帰って検討する」と明言を避けた。
末永課長は、中距離多目的誘導弾と迫撃砲弾などは4月6日までに島外に搬出したと報告。住民らは「本当に運び出したかは私たちに確認できない。これまでうそをついてきたあなたたちは信用できない」と不信感をあらわにした。
駐屯地内にジェット燃料を給油できる施設があることに対し、ある住民は「将来オスプレイが配備されるのではないか」と質問。末永課長らは「現時点で訓練や配備の計画はない」と回答。住民らは「将来はどうなのか」と詰め寄ったが「未来永劫については約束できない」と述べた。
弾薬等の保管をめぐって防衛省は当初、住民説明会などで「小銃弾等」の保管庫と説明してきたが、実際には中距離多目的誘導弾や迫撃砲の弾薬類を保管していた。現在島外に搬出してあるが、城辺保良に整備される弾薬庫に運び込む予定という。
説明会後、自治会の役員は「説明も後付けのような感じだ。ミサイル配備はないと言うが発射機はある。いずれ配備につながるのではないか。説明を聞いてもまだ信用できない」と述べた。
説明会には防衛省3人、沖縄防衛局4人、陸上自衛隊2人の計9人が訪れた。