「7月にも人材確保にめど」/県がん診療連携協議会
がん診療院の再指定へ体制
【那覇支社】「県がん診療連携協議会」(議長・大屋祐輔琉球大病院長)の今年度初会合が13日、西原町の琉球大医学部で開催された。会議では、4月に「地域がん診療病院」から除外された県立宮古病院(本永英治院長)の松村敏信外科部長が、「緩和ケアが充足していないことで指定を外された。7月中にも人材確保のめどが立つ見込み」と述べて、再指定に向けた体制が整うことを明らかにした。
宮古病院は昨年度まで、厚生労働大臣が一定の要件に基づいて指定する「地域がん診療病院」に指定され、「県がん診療連携拠点病院」のグループとして、専門的ながん医療の提供、相談支援や情報提供などの役割を担い、約400万円の補助金を支給されていた。
指定除外は厚労省の整備指針である「緩和ケア認定看護師」や「緩和ケア外来専従医師」「専門相談支援員」の人材不足が要因。また、同省の指針では「緩和ケア外来窓口」を設置して各種相談に応じることも義務付けられていたが、同院では窓口が未設置で専門資格を持つ有資格者の絶対数も不足していた。
同院では指定除外を受け、院内の看護師を「国立がんセンター」に派遣するなどして、専門人材を養成確保するとともに、現在、「デイケア医師」として務めている医師を「緩和ケア外来専従医師」として充当する方針という。
会議終了後、本永院長は本紙の取材に対し、「地域がん診療病院の指定除外になったからといって、がん治療を行わないわけではない。各診療科にがん専門医はいるので、いつでも診察と必要な治療はできる」と話した。その上で、「宮古地域の皆さんに不安を与えないよう、早急に人材確保の体制を整え、再指定を受ける方針だ」と強調した。
同協議会は、県や琉球大学医学部、がん診療病院、患者会などが構成している。