クジャク300羽捕獲/18年度鳥獣駆除実績
イノシシはわなで35匹/農産物被害の拡大懸念
市農政課は14日までに、2018年度の有害鳥獣捕獲実績をまとめた。外来種のインドクジャクは前年度の157羽からほぼ倍増の300羽を捕らえ、増加する生息数を裏付けた。城辺の北海岸で増えているイノシシは35匹を捕獲した。これらの鳥獣は生態系に影響を及ぼすほか、農産物等を食い荒らしているとみられることから、被害の広がりが懸念される。市は駆除対策を強化する方針。
クジャクの10年前の捕獲は30~50羽だったが、09年度に100羽を数えて以降は毎年100~200羽が捕獲、駆除されている。
クジャクは雑食だが、近年は農産物を食い荒らしているという被害報告が各地から寄せられている。今年3月には城辺保良の畑で80代農家が栽培するニンジンの葉が被害に遭った。最近では同じ保良地区でソバ畑を荒らしているという被害情報も入っている。
生息域は宮古島全域とみられ、市は「今も増え続けている」としている。その上で新たな駆除対策としてクジャクの卵を孵化させない手に打って出た。被害原野に犬を放ち、卵を見つけて巣から除去する作業を14日から行っている。
一方、17年度のDNA鑑定で生息が確認されているイノシシも増え続けているとみられる。猟銃での一斉駆除を見送った18年度は35匹(わなで捕獲)と前年度を6匹下回っているが、城辺地区の北海岸線を中心に50~100匹は生息していると見る向きが強い。
城辺長北地区では、一部のサトウキビ畑が掘り起こされ、キビが根元から倒れる被害が発生している。
ここ最近では平良の島尻地区でも農産物の食害が確認されており、足跡の大きさなどからイノシシによるものとみられ、生息域の広がりが懸念される。
市は今週中に北海岸の山林内に入り、イノシシの獣道などの有無を調べ、猟銃駆除の再開を検討する。
担当する市農政課の福里匡課長は「調査し、猟友会と相談しながら猟銃駆除及び実施時期などの検討に入りたい」と話す。市民に向けては「農産物の食害や足跡などを見付けたら、農政課まで連絡してほしい」などと呼び掛けている。