キビ苗圃に除草剤か/上野野原
市、警察に被害届提出
上野野原地区で、サトウキビの苗を作る苗圃(びょうほ)のキビの一部が完全に枯れている被害が14日までに確認された。市や関係機関が調べたところ、除草剤が散布された可能性が高いという。市は宮古島警察署に被害届けを提出した。
苗圃は、優良な種苗を安定的に確保する県の事業の中で活用されており、今期は約12ヘクタールで苗用のサトウキビが栽培されている。
被害に遭った苗圃は上野野原の20アールの畑で、道路沿いの畝のサトウキビが数十メートルにわたって枯れているのを確認することができる。圃場の内側も一部枯れている。
県から委託を受けている市は直ちに関係機関に連絡し、先週末に被害圃場を調査。枯れているサトウキビ以外は青々と成長していることや、雑草も一緒に枯れていることから病害虫による被害ではなく、除草剤が散布された可能性が高いと結論付けた。
市農政課によると、昨年12月にも同じ苗圃のサトウキビの一部が枯れる被害が発生しているという。このときも除草剤がまかれたとみており、同じ苗圃で被害が続いたことになる。
被害苗圃で栽培されているサトウキビは、昨年10月に沖縄本島の東村から取り寄せた「健全無病苗」が植えられており、今年7~8月には生産農家に配布される貴重な苗となる。
福里匡農政課長は「畑には優良な苗を持ってきて植えてある。何があったのかは知らないが、こういうサトウキビ振興に水を差すような行為は絶対にやめてほしい」と話している。