宮古地区7期ぶり30万㌧割り込む/18-19年産サトウキビ
生産量29万3000㌧
宮糖伊良部の搬入が終了
宮古製糖伊良部工場は16日、2018-19年産サトウキビの搬入を終えた。累計で4万9859㌧を搬入し、平均糖度は13・94度と基準糖度(13・1~14・3度)に達した。同工場の搬入終了で確定した宮古地区全体の生産(搬入)量は29万3248㌧。台風の被害で大不作だった11-12年産以来7期ぶりに30万㌧を下回った。昨年の気象条件が全体生産量に響いた。
宮古製糖伊良部工場は昨年12月19日に操業を開始した。当初は5万2000㌧の原料(サトウキビ)搬入を見込んだが、その後に下方修正し、最終的には前期の搬入量を8000㌧余り下回る実績となった。
搬入原料のうち機械刈りが3万5900㌧と全体の72・06%を占めた。手刈り原料は27・94%だった。
搬入概況が示す糖度区分別構成比は、基準糖度帯の原料が全体の40・28%。基準以上は37・03%、基準以下は22・69%となった。
1㌧当たりの農家平均手取額は2万1795円(国の交付金含む金額)。
伊良部工場の搬入終了で確定した地区全体の生産量は30万㌧を割り込んだ。昨年末の調査で見込んでいた予想量29万9900㌧をも下回っている。前期比では2万8600㌧の減。
伊良部工場を除く3工場の搬入(生産)量は▽沖縄製糖宮古工場12万2025㌧▽宮古製糖城辺工場9万6408㌧▽宮古製糖多良間工場2万4956㌧-。
減産の要因は、昨年7月に直撃した台風8号で大きなダメージを受けたことが挙げられる。各地で葉の裂傷や梢頭部の折損被害が多発。特に春植えの被害が大きく、一部では今期の収穫を諦めて次期作の夏植えに切り替える農家も出た。
9月と10月にも台風が接近し、葉の裂傷や一部では塩害も広がった。
こうした自然災害が、収量、品質に大きな影響を与えたものとみられる。
宮古地区のサトウキビは近年、1年1作の株出し栽培が急増し、収穫面積が広がっている。これに伴って今期も増産が期待されていたが、台風の被害が想定をはるかに上回った。
課題は、収穫が機械刈りにシフトしたことで長引く製糖期への対応だ。特に伊良部工場の終了は5月にずれ込んだことで農家から不安の声が上がった。各地でハーベスターの効率的な運用が求められている。