「福福波」最多520本
18年度宮古地区
県種雄牛精液払い下げ実績
県宮古家畜保健衛生所はこのほど、宮古地区における2018年度県種雄牛凍結精液払い下げ本数の実績をまとめた。宮古島市平良産まれの銘牛「北福波」を父に持つ「福福波」が520本と最も多く、市城辺産まれの「茂北福」が370本で続いた。3位は前年度1位の「球美乃花」。茂北福、球美乃花ともに父は北福波で、最高の血統を継ぐ種雄牛の人気が際立った。
福福波は北福波の最初の後継牛として知られる。母の父は宮崎の「福桜」。体重など、量的な遺伝的性質が後代にも現れるかどうかを調べる検定では79・1%の上物率を記録。頭の後代記録に基づく育種価でも枝肉重量、バラ厚、脂肪交雑で父の北福波を超える能力が推定されている。
17年度の県枝肉共進会では産子が1位と2位を独占した。県外での枝肉成績も優れており、産子の競り値は高値で推移している。
2番目に多く払い下げられた茂北福の血統は、父が北福波で、母の父が鹿児島の「平茂勝」、母の祖父は島根の「北国7の8」という特に優れた血統だ。
脂肪交雑のゲノム育種価で県種雄牛90頭中歴代1位を獲得。現場後代検定では子だしが大きく、40㌔超えの産子が産まれたという報告も多数ある。育成中の発育も良好と評価は高い。
前年度に販売した400本と比べると少し減少しているが、需給のバランスが影響しており、引き合いは強いままだという。
販売3位の球美乃花は父に北福波、母の父には青森の「第1花国」を持つ優良な血統の種雄牛。現場後代検定による産子の肥育成績では、北福波らしい肉質改良に加え、第1花国の持ち味である高い枝肉重量の両立に成功している。
こういった好成績を背景に、16~17年度は2年連続で販売本数1位だった。
販売4位は208本を払い下げた「北百合平」。5位は宮古島市産まれの「光北福」の140本だった。
払い下げ本数上位3頭に共通しているのが父が北福波だということ。産肉能力の優秀さが県内外に広く知られている県産種雄牛の最高傑作と評され、17年度に販売を終えている、払い下げ本数は2008年度から年度まで7年連続1位。払い出しの本数は13万本以上で、歴代県種雄牛の中で最も利用されている。