人と動物の共生を/宮古島セーブ・ザ・アニマルズ
避妊・去勢手術全額負担/全国からの寄付金活用し
保護した犬や猫を里親に引き渡す活動を続ける宮古島セーブ・ザ・アニマルズ(旧宮古島アニマルレスキューチーム)では、4月から宮古島に住んで犬猫を飼っている人を対象に飼い犬や飼い猫の避妊、去勢出術を全額負担する取り組みを展開している。代表を務める中原絵梨奈さんは「この取り組みは殺されるために生まれる命をなくすことが目的なので、理解と協力をお願いしたい」と訴えた。
避妊、去勢の費用負担については、犬の場合が狂犬病ワクチン登録(実費負担)が必須で、猫は手術後に手術をした目印となる右耳のV字カットを行うとしている。
中原さんによると、通常、犬の場合は大きさによって費用が異なり、雄が1万3000円~約2万円。雌が3万円~4万円。猫は、雄が1万円で雌が2万円としている。
手術までの流れとしては、宮古島セーブ・ザ・アニマルズ(電話090・9789・4097)に連絡し、宮里動物病院に予約を入れる。手術当日は病院に連れて行くのも迎えも飼い主が行うとしている。
費用について、中原さんは「全国から宮古島の犬、猫を守るために集まった寄付金を活用する。その資金が無くなるまではすべて無料で対応したい」と述べた。
県宮古保健所管内における犬の捕獲・保護数は以前年間100~200頭台で推移してきたが、2014年度と15年度は300頭台に増加。15年度の殺処分数は325頭となり、これは東京都の1年間の処分件数を上回っていた。
こうした状況の中、中原さんたちボランティアが捕獲保護された犬猫たちを島内外に譲渡するボランティア運動が年々充実し、18年度の殺処分数は4頭にまで減らすことができた。
しかし、保護頭数は、依然として高い数値で現在も推移し続けており、18年度も301頭となっている。
保健所も「ボランティア団体の活動のおかげで殺処分は大幅に減少しているが、捕獲や保護で収容される頭数は増えている。収容される野犬が増える要因の一つでもある放し飼いをやめることと、飼い主には避妊、去勢についても真剣に考えてほしい」と呼び掛けている。
中原さんは「いくら譲渡を頑張っても持ち込まれる数が多すぎて現在は保護できる上限に達している。今回の取り組みは、飼われている犬猫の去勢避妊手術を積極的に進めることで今後、持ち込まれる数を減らし、殺されるために生まれる命をなくしていきたいとの思いでやっている」と話した。