労災防止徹底を要請/宮古労基署長
建設業急増で異例の措置
建設業における労働災害が急増していることを受け、宮古労働基準監督署(新里隆署長)は20日、建設業労働災害防止協会県支部宮古分会の長田幸夫分会長に労働災害防止の徹底を要請し、現場パトロールの実施や総点検などを求めた。国や県、宮古島市、多良間村の公共工事発注機関にも、過重労働を排除するなど働き方改革の趣旨にのっとった柔軟な工期の設定に配慮を促した。同署によると、署長名での要請は異例。
宮古管内における2018年の労働災害発生状況は、2年前と同じ52人で過去最多。
このうち、建設業における労働災害は、前年の6件から3倍の18人と大幅に増加し過去最多となった。
今年4月末現在でもすでに4件発生し、さらに増加傾向にある。
同監督署では公共工事やホテル、アパート建築工事などの発注件数の増加、それに伴う現場での専門工、作業員の不足などが背景にあるとみている。
要請文では「現場によっては休日が確保できない問題や安全対策が後手になるケースなどが認められ、優先すべき安全第一の意識が建設現場で希薄となっていることを大変懸念している」と指摘。その上で▽墜落・転落防止対策の徹底▽現場での立ち入り制限▽誘導員の配置-などに重点に置くよう求めた。
発注機関には、現場の安全パトロールを実施し、必要な安全措置を指導するよう要請した。
要請は平良地方合同庁舎で行われ、新里署長が長田分会長に要請文を手渡した。
国、県、市、村などの発注機関には、工事担当部署の所長や部長宛てに送付した。