運転免許返納142人/18年宮古島署管内
3年前の4倍に増加/75歳以上が76%占める 警察、支援制度PR
宮古島市で2018年に運転免許証を自主返納した高齢者は142人で、15年にデータを取り始めた35人に比べ約4倍に増えたことが宮古島署のまとめで分かった。75歳以上が全体の76%を占めている。今年5月20日までの返納者は54人で、さらに増える見込みだ。同署では、本人や周囲の人が少しでも運転に不安を感じたら免許返納を前向きに考えてほしいと呼び掛け。返納すると交通機関や飲食店の割引などの「優遇措置(支援制度)」が受けられる制度もPRしている。
4月19日に東京・池袋で87歳の男性が運転する乗用車が暴走し、母子が巻き込まれて死亡した事故など、全国的に高齢運転者による交通事故の増加が問題となっている。
宮古島市では高齢者本人が自主的に返納するよりも、事故の報道などを見た家族から促されて返納するケースが多いという。警察は「家族と相談して、早めの返納を検討してほしい」と話している。
ただ、一部の高齢運転者は農業など生活の足を奪われるという強い反発や、長年の運転経験から「自分に限っては大丈夫」などの理由で返納に踏み切れないのが実情だ。
運転免許証を自主返納した高齢者には「運転経歴証明書」が交付され、提示すると料金割引などの支援制度が受けられる。
同制度は自主的な返納を促し、高齢者が関係する交通事故を地域一体となって防止することが目的。
宮古島市では2月22日現在で、9事業所がこの制度に協力している。
同署では「全国でも高齢者の事故が多発している。少しでも運転に不安を感じている人は返納を検討してほしい」と呼び掛け。今後も、高齢者が車を運転しないという決断の後押しや、返納後の「車なし生活」を支援していく考えだ。