キビ代金64億1700万円/18-19年産
前期比6億5000万円減
糖度上昇も収量減響く
JAおきなわ宮古地区営農振興センターさとうきび対策室は24日までに、宮古地区の2018-19年産サトウキビ生産実績をまとめた。サトウキビ代金(農家に支払われた金額)は前期比6億5000万円減の64億1700万円。地区全体の平均糖度は14・04度と上昇したものの、原料代金の落ち込みで平均単価(トン当たりの農家手取り額)は2万1884円と前期作を下回った。これにサトウキビの減産が重なって全体の金額が押し下げられた。
製糖4工場へのサトウキビ搬入(生産)量は29万3200㌧で、前期より2万8600㌧少ない。11-12年産以来7期ぶりに30万㌧を割り込んで収量の上では厳しい実績となった。
今期のキビ代金が減ったのは、台風被害といった気象条件に加え、外的要因に左右される品質取引の結果が所得向上に結び付かなかったことが背景にある。
キビ代金は、工場が農家に直接支払う原料代金と国の交付金で構成され、それぞれ品質の良し悪しで金額が増減する仕組みだ。今期の品質(糖度)は14度台で前期作を0・14度上回っており、数字の上では手取りが増える見通しが立つ。
ただ、砂糖の価格調整制度によって定められる輸入糖売り戻し価格を基に算出される原料代金が、今期はトン当たり4952円と前期より380円安かった。国の交付金は210円増えていたが、原料代金の目減りで相殺され、合算値の単価も74円減額となった。
これらが要因となって全体のキビ代金は減額。生産40万㌧の大豊作に沸いた16-17年産以降、2期連続で生産量、キビ代金ともに落ち込む実績となった。
旧市町村別のキビ代金を見ると、平均糖度が最も良かった多良間が前期の実績を上回ったが、他地区はいずれも減額だった。
JAさとうきび対策室の砂川浩美室長は「台風被害が大きく、生産量は30万㌧に届かなかった」と気象条件を減額理由に挙げた。その上で「主流の株出しの反収アップが求められる。栽培管理の周知徹底に努めていきたい」と話した。
18-19年産の実績は、宮古地区製糖4工場の搬入概況を基に、さとうきび対策室が集計して出した。