アオドウガネ多発傾向
市、誘殺灯増で対策強化
サトウキビの根を食害するアオドウガネが今年も多く発生している。誘殺灯を使った駆除で2~3年前まで減少の一途をたどってきたが、ここ数年は増加傾向にある。サトウキビ栽培の主流が株出しに変わったことや誘殺灯の減少が主な要因とみられる。市など関係団体は誘殺灯を増やして駆除対策を強化する。今年度の設置台数は1216基で前年度より400基多い。
アオドウガネ被害は、サトウキビの根が幼虫に食害されて起こる。被害が大きいと株全体が枯死する。
このため、市など糖業の関係団体は連携して駆除作業を実施。誘殺灯で成虫を誘引・捕獲し、地中に産卵させない物理的な手法で被害を抑えてきた。
ただ、2006年度は1300基あった誘殺灯が前年度には816基と大幅に減った。導入から年が経過し、破損や基盤の不良が発生したためだ。相対的に成虫の捕獲数が減少し、地中への産卵数が増加しているとみる向きが強い。
このほか、サトウキビ栽培の主流が夏植えから株出しに変わったことも増加の要因とみられている。夏植え栽培が主流のころは、新植前の耕運作業で地中の幼虫を駆除できたという。
これらの要因が重なってアオドウガネの成虫が増えている。2~3年前まで成虫の姿を見る機会はめっぽう減っていたが、昨年から外灯の周辺ほか市街地でも見られるようになった。
県病害虫防除技術センター宮古駐在が調査を実施しており、7~8月には発生状況が分かる見通し。同センターは前年度、平年比2倍の成虫を捕獲したとして注意報を発表している。
アオドウガネに関する農家から市への問い合わせも増えている。市は誘殺灯を計画的に更新しながら対応する方針で、19年度の誘殺灯はセーフティーネット基金を活用して330基を導入、20年度は単費を使ってさらに200基増やす。