西原の祭祀、写真で記録/「ナナムイ写真展」開幕
西原公民館で9日まで
平良西原出身のカメラマン長崎健一さんが撮影した地元の祭祀(さいし)ナナムイの写真展が1日から西原公民館で始まった。白い装束に身を包み祈りをささげるツカサたちや集落の人々の表情、日常生活など、2008年から今年まで撮りためた中から340点が展示されている。写真展は9日まで。
西原集落は145年前に池間島から移住者によって「村立て」された。集落を囲むように七つの拝所や御嶽などが配置され、人々が祈りをささげてきたという。西原には年間で50を超える祭祀行事があり、主に47歳から56歳の人たちが執り行っている。
長崎さんは「今回は祭祀だけに特化したものでなく、村の日常、人々の表情などの写真もある。以前の聞き取り調査では祭祀に関わる人が140人を超えた時期もあったと聞いた。時代の振り幅を含め、足元の大事なものに気付いてほしい」と呼び掛けた。340点の写真はロール紙に印刷されている。長崎さんは「つなぎ合わせると145㍍になる。分村からの145年を表現した」と話した。
祭祀行事を主催するウーンマ(大ツカサ)を4年間務めたという上原成子さん(62)は「途絶えるかもしれないという危機感もあり、行事を担うツカサの負担を軽くしようと形を変化させながら続けてきた」と現状を説明。写真展については「以前は外部を遮断し撮影は拒否していたが、受け入れるようになった。長崎さんは西原出身ということもある」と話した。西原では90年代半ばから別の写真家が祭祀を多く撮影するようになり記録されている。
9日には同所で「ナナムイのカギウグナーイ」と題したシンポジウムが行われる。また写真集「カギナナムイ2008-2019」の出版祝賀会も市内ホテルで開かれる。