父の遺志引き継ぎ清掃/東京の塚本さん家族
12年継続、交流も広がる
東京から毎年宮古島を訪れ、12年間にわたり新城海岸を清掃している家族がいる。父親は昨年亡くなったが、遺志を引き継ぐ形で、今年からは子どもたちが中心になり4日に清掃を行った。趣旨に賛同し、一緒に清掃する人も増え交流の輪が広がっている。子どもたちは「今までやってきたことを無駄にしたくない。父も天国で喜んでくれていると思う」と話した。
新城海岸を清掃していたのは、塚本一雄さんとその妻の小夜子さん、二男の仁さん、嫁の久仁栄さんの家族4人。4人は大好きな宮古島を毎年訪れては、観光の合間を縫って清掃に汗を流していた。
家族が清掃を始めたきっかけは、同海岸でパーラーを営む福原栄吉さんが清掃している姿を見掛けたことだ。「せっかく来てくれる人がいるのだから、きれいなビーチで楽しんでほしい」との福原さんの言葉に感銘を受けたという。
新城海岸が気に入っていた一雄さんは昨年12月に心不全で帰らぬ人となった。享年歳。結婚50周年の金婚式の翌日で、夫婦で「年が明けて落ち着いたら、家族で旅行に行こうか」と話している矢先だったという。
それから約5カ月後。新城海岸には塚本さん家族が清掃に励む姿があった。今年は長男の一博さん嫁の陽子さんも参加。塚本さんの活動に賛同して、一緒に清掃する観光客や地元の人たちも増えた。
小夜子さんは「夫が今までやってきたことを無駄にしたくない。活動の輪も広がってきたので、これからも続けていきたい」と話した。
仁さんは「父は波もおだやかなこの海岸が大好きだった。私たちがこれまでと変わらずに清掃を続けることを、父も天国で喜んでくれていると思う」と語った。