土砂災害へ備える/佐良浜
訓練で防災意識向上
市は8日、佐良浜で土砂災害避難訓練・講演会を開いた。市防災危機管理課、市消防本部、宮古島地方気象台、池間添・前里添自治会、佐良浜地区婦人会と住民ら合わせて約70人が参加。警報避難の手順、緊密な情報伝達体制、避難所での炊き出し、食事提供などを再確認した。
6月は国土交通省が土砂災害の防止と被害の軽減を目的に定めた「土砂災害防止月間」。今年度のキャッチフレーズは「避難の声かけ、安全の確認」。
佐良浜での訓練は、土砂災害に対する避難体制の強化と防災意識の向上などを図り、土砂災害の防止・軽減に資することを目的に実施された。
この日の午前11時、屋外スピーカーから土砂災害警報情報が流れた。池間添児童館で過ごしていた子供たちは、職員の仲村渠友子さんと下里真紀子さんの誘導で避難行動を開始。避難経路の途中、住民と合流し、前里添多目的施設に避難した。
同施設での避難中、市消防本部の職員が人形を使って心臓マッサージや人工呼吸の仕方、AED(自動体外式細動器)の扱い方などを指導した。心臓マッサージ体験に挑戦した子供もいた。
同気象台の棚原聡防災業務係長は演題「土砂災害から身を守る」で講演した。その中で「平成29年11月現在、県全体の自主防災組織率は24%だが、宮古圏域は0・4%である」と指摘し、佐良浜に自主防災組織がないことを憂慮した。
佐良浜地区東側の一部は「急傾斜地崩壊危険箇所」に指定されている。がけ崩れにより相当の居住者などに危害が生ずる恐れがあるとされる。
仲村渠さんは「土砂災害警戒情報が流れた時は、子供たちは脅えて机の中に隠れた。『これは訓練だよ』と説明すると、少し安心した様子だった」と振り返った。