水納島航路船 契約内容を問題視/多良間村議会
初の特別委設置、調査
伊良皆村長正当性主張「住民生活守るため」
【多良間】多良間村議会(森山実夫議長)の6月定例会が10日、開会した。初日は一般質問が行われ、5氏が登壇し、当局をただした。水納島航路船の管理運営について、契約内容や村当局の対応に問題があるとして、議員らが厳しく追求。伊良皆光夫村長は「住民の生活、命、経済を守るためのもの。当初から何度も説明している」と述べた。豊見山正氏への答弁。
この問題に対し、議員らは4月に特別委員会を設置。議会事務局によると、村の歴史上、初という。5月20日に第1回委員会を開き、経緯などの調査を始めている。
同航路船は、住民や観光客の安全・安心な生活の確保と、産業の振興を図ることを目的としている。2017年に予算化され、県の一括交付金を活用して8089万円で購入し、今年4月2日に水納島の南島牧場と運営管理の契約を締結している。12人乗りで12トン。現在は航路申請中のため、運航はせず水納島に停泊中という。
当局は議会議決が必要な指定管理者制度の導入を説明していたが、途中で方針を変え、議会議決が不要である普通財産の貸付に変更して、契約を締結した。契約書に使用料の額が明示されてないことや、契約期間が「使用不能になるまで」としていること、不定期船であることが問題視されている。
使用料について当局は現在協議中であるとし、年1回払いを10年間続ける内容で進めている」としたが、金額は示さなかった。また11年目からは使用料は無料になると説明した。豊見山氏は「これでは不公平、不平等だ。10年間の契約期間を設けた方が良い」と述べた。
富原安則氏は「議会審議を逃れるように契約を締結している。議会軽視も甚だしい。村民からも不満の声が多い」と強調した。
多良間海運のフェリーの新造船計画について、伊良皆村長は「総事業費は約19億円。2021年度の運航を予定している」と明かした。福嶺常夫氏への答弁。
この日は本村健次氏、渡口直和氏らも質問した。