ヤギ振興へ助成金/宮古島市
1頭3000円 と畜補助も/生産組合総会で予算確認
宮古地区における肉用ヤギの振興に向けて、市が新年度予算に助成金を組み込んだ。山羊生産流通組合に補助金として出す。と畜費を助成する奨励補助金の対象にヤギを加え、1頭当たり3000円補助することも決めた。組合は結成2年目。11日に総会を開いて補助金を含む新年度予算を確認した。組合員数は当初の39人から53人まで拡大しており、ヤギ振興に向けて生産基盤が整いつつある。
市は経済動物としてのヤギの可能性に着目。生産組合の結成に伴い、飼養農家の生産意欲も高まっていることから助成を決めた。
初年度の助成金は計30万円。生産振興を図る組合の活動費等に充てられる。
一方、これまで豚に特化していた市畜産物出荷奨励補助金の対象にヤギを加えた。予算もほぼ倍加の165万円を計上した。と畜数を増やし、肉を島内に流通させて宮古島産ヤギ肉の認知度を向上させる。
市や組合によると、ヤギの需要は高まっており、沖縄本島を中心に供給が追い付いていないという。こういったヤギ肉の消費志向を踏まえ、生産拡大を図って所得の向上につなげる。
市の調べによると、昨年12月末時点でヤギを飼養している農家は110戸、飼養頭数は813頭となっている。宮古食肉センターでの2018年度と畜頭数は316頭に上っている。
今後の課題はヤギの大型化だ。宮古島市で飼養されるヤギは肉用としては総じて小さい。このため優良ヤギを島外から仕入れ、十分な肉が取れるサイズに改良することが求められる。
生産流通組合の総会は11日午後に市役所上野庁舎で開かれた。冒頭、長濱国博組合長は「ヤギの競りを視察してきたが、やはり改良が必要だ」と大型化の重要性を指摘し、「優良ヤギを入れて、宮古のヤギと掛け合わせ、肉が取れる宮古島産のヤギづくりに取り組んでいこう」と話した。
市農林水産部の松原清光部長は「組合員数が53人まで増えたのは、組合の取り組みがしっかりしていることの表れだ」と評価。「市としても支援の体制を取ることができた。ヤギのさらなる発展を期待し、これからも状況に応じた支援のあり方を考えていきたい」と継続支援を約束した。
新年度事業計画では、先進地の視察や勉強会を通して品種改良を進め、農家経営の安定を図っていくことを活動の柱に据えた。
予算は約52万円。収入は組合費約16万円、市の補助金30万円などで組んだ。支出では活動費に16万円、視察研修等で使う旅費には30万円を充てている。
新年度役員は次の通り。(敬称略)
組合長=長濱国博▽副組合長=砂川寛裕、砂川勇人▽理事=砂川敏行、来間正博▽事務局長=川満秀盛