全頭遺伝子検査実施へ
宮古馬保存・活用方法検討/計画策定委
宮古馬保存計画策定委員会の第2回会議が12日、市役所城辺庁舎であり、個体の取り扱い、飼養地、活用方針について意見を交わした。会議では保存の前提として、現状把握のため遺伝子の全頭検査を実施し、その上で繁殖に適した馬とそうでない馬を分類し、それぞれ保存・活用の方法を検討していくことを確認した。
会議の冒頭、保存会の会長を務める宮國博教育長は昨年の「虐待報道」を指摘しながら「いろいろな問題もあったが、しっかりとした計画を作り上げなければならない」と委員らに求めた。策定委員会は10月ごろ第3回の会議を開いた上で、年度内の計画策定を目指している。
会議では▽個体等の取り扱いに対する基本方針▽飼養地保存に関する基本方針▽活用方針-について意見を交わした。個体の取り扱いでは「近縁関係をはっきりさせるため遺伝子の全頭検査を行う」「精液検査を実施し、繁殖に適さない馬は外す」「現在繁殖可能な厩舎(きゅうしゃ)が1カ所しかない。4、5カ所は必要」「農家の愛情だけでは長続きしない。公共的団体を設立して受け皿にすべき」などの意見があった。
飼養地では「しっかりとした手続きをすれば、伝染病のリスク回避の観点からも島外への移動は可能」「島外で生まれた馬も宮古馬になる」の意見があり、「サブ繁殖地」があることは理想的として島外移動を認めることとした。
活用方針では観光、教育面で可能性があり、学校への出前授業、療養施設での愛玩用としての飼育などを挙げた。また飼養者以外が資金協力する「サポーター制度」の検討を求める意見もあった。