株出しの反収4・8㌧/18-19年産サトウキビ
気象条件影響し伸びず
台風で大きなダメージ
宮古島市はこのほど、2018-19年産サトウキビの作型別生産実績をまとめた。反収(面積10㌃当たりの収量)は主流の株出しが4・8㌧と低い。夏植えは6・7㌧、春植えも4・3㌧と伸び悩んだ。全作型を合わせた反収も5・3㌧と振るわず、収穫面積の6割を占める株出しが実績を押し下げた。低反収の要因は気象条件。昨年7月の台風で、特に春植え、株出しが大きなダメージを受けた。
市農政課が各製糖工場の搬入概況を基に、地区別の反収実績をまとめた。
1年1作の株出し栽培の収穫面積はここ数年急速に広がっており、各地で主流の作型になっている。
18-19年産の収穫面積は3036㌶で、夏植えの1527㌶、春植えの457㌶をはるかにしのぐ。
その株出しの地区別反収実績を見ると、最も高反収だったのが上野。5・3㌧を出した。下地が5・1㌧で続いた。平良、城辺、伊良部は5㌧を切った。地域によっては反収3㌧を下回るほ場もあるという。
生産者や製糖工場によると、昨年宮古島地方に接近した三つの台風が収量や品質を下げた主な要因。「時期的にも悪いタイミングで当たってしまった」(沖縄製糖宮古工場)とし、特に春植えや株出しのほ場では大きな収量減を招いた。
一方、株を立たせる際の管理作業は全体に浸透しているが、生産者の高齢化の影響で補植作業が追い付かず、なかなか収量を増やせないという現状もある。
サトウキビ栽培で年に叙勲(農業振興功労)を受章している生産者の川満長英さんは「やはり気象条件の影響が大きかった」と振り返る。その一方で「株出し作業は思った以上に労働力が必要になる。農家の高齢化が進む現状では難しい部分もある」と話し、基幹産業の行く末を案じた。
株を立たせる回数については、「2回で終わることが理想」と助言し、株の適期更新を促した。
沖縄製糖宮古工場農務課も収量、品質ともに台風被害が大きかったと分析しており、「7月の台風で春植えや株出しは減産、9月下旬と10月初めの台風では品質に影響した」とした。
宮古地区の作型は1年1作の株出しが増え、2年1作の夏植え一辺倒だったころと比べると収穫面積は広がっている。ただ、主流の株出し栽培で収量を取れなければ増産にはつながらない。補植を含む管理作業の徹底が求められそうだ。
宮古地区の18-19年産サトウキビの生産量は29万3000㌧。7期ぶりに30万㌧を下回っている。