観光振興へ官民一体/市議会一般質問
島内横断列車を計画/フルーツパークも再整備
宮古島市議会(佐久本洋介議長)6月定例会は19日、一般質問を行った。この中で、民間企業が宮古空港とうえのドイツ文化村を結ぶ「観光列車」の運行を計画していることや、上野トロピカルフルーツパークを再整備する市の計画が示された。宮古圏域の一層の観光振興に向けた官民一体の事業が展開される。
初日の一般質問には、我如古三雄氏、新里匠氏、前里光健氏、島尻誠氏、下地信広氏が登壇した。宮古圏域における旺盛な観光需要を踏まえ、複数の市議が当局の振興策を問うた。
島内を横断する観光列車については楚南幸哉観光商工部長が答弁。南岸リゾート開発を進める南西楽園リゾートの構想で、「宮古空港から入江湾を通り、うえのドイツ文化村までの総延長10㌔を想定コースとした構想がある」と説明した。
具体的な整備計画の説明はないとしながらも、「事業計画に進展があった場合は説明があると思う。その際には市としても検討していきたい」と述べた。
上野トロピカルフルーツパーク再整備計画に関しては松原清光農林水産部長が答えた。「再び地域住民の憩いの場とすることはもとより魅力ある観光地、農業発展に寄与する施設として機能強化を図る」と事業の目的を示し、「今年度は基本設計委託業務の予算を計上しており、全体面積16・4㌶のうち8・5㌶で基本設計を行う」と話した。
具体的な整備計画については、2020年度に実施設計、21年度以降5カ年をかけて段階的に整備を進めるという。松原部長は「駐車場や広場などの公共的な部分は市が整備し、施設等は民間の事業においての計画を考えている」とした。
一方、うえのドイツ文化村博愛パレス館の民間運用に向けた手続きが難航していることが分かった。楚南部長は「ドイツ文化村全体が行政財産で賃貸等の目的外使用ができない」と現状を報告した。その上で「パレス館のみを行政財産から普通財産に変更する手続きを検討している。今後は賃貸または売却した上で有効活用の方法を検討する」と話して理解を求めた。
これらは我如古氏の質問に対する当局答弁。
この日の一般質問では観光ほか行政運営、農業、福祉、教育などさまざまな分野からの質問が相次いだ。
臨時職員の欠員数についての質問には、宮国高宣総務部長が答えた。採用枠448人に対して採用は402人で、46人の欠員が出ていると報告した。
業務上の影響は、「一般事務、補助員では大きな影響は確認されていない」としたが、「保育士不足では園児の受け入れに制限がされており、待機児童の解消に至っていない」と一定程度の支障を認めた。