知事の「尖閣」発言を批判/県議会
座喜味氏が一般質問
【那覇支社】県議会(新里米吉議長)6月定例会で28日、宮古島市区選出の座喜味一幸氏(沖縄・自民党)が一般質問で登壇した。座喜味氏は、尖閣諸島をめぐり玉城デニー知事が5月の会見で「中国公船がパトロールしているので故意に刺激してはならない」と述べ、その後に撤回した件などについて県の姿勢をただした。
座喜味氏は、「知事の発言は宮古・八重山に住む者を軽視するもので断じて許せない」と批判。「『パトロール』は管理権がある巡視巡回だ。発言は、尖閣の領海は中国の管理権にあると理解できる。地元にわびてほしい」と求めた。
これに対し、玉城知事は「私は、かねてから尖閣諸島は我が国の領土と発言している。発言は誤解を与えかねないものであり、尖閣諸島に関する私の認識とも全く異なることから、撤回した次第だ」と答えた。
座喜味氏が知事の政治姿勢について「日本政府に対する不信等を含めると、中国に寄っていると言わざるを得ない」と述べたのに対しては、玉城知事は「私は政府に対立を持ち込んでいるのではなく、対話を持ち掛けている」と応じた。
このほか、座喜味氏は農業振興について「沖縄の野菜の移出がピークとなる4月から5月は、離島を含め生産量がだぶつき気味で価格が引き合わず出荷を止める状況にある。保存保冷などで抜本的な取り組みをしてほしい」と求めた。
これには、長嶺豊農林水産部長が「民間の冷凍施設を使ってシークヮーサーの果汁等を備蓄し計画的な製造、出荷調整を行う事例がある。出荷団体との連携を図り地産地消に取り組んでいきたい」と述べた。
座喜味氏が航空運賃の低減や農林水産物流通条件不利性解消事業などの法制化を求めたのに対し、玉城知事は「離島の農家が不利性を受けることがないよう、農林水産物の生産拡大による自給率の向上と併せて、沖縄ブランドの確立と振興に努める」と語った。