県、辺野古で国を提訴へ/県議会6月定例会
尖閣での抗議決議は否決
【那覇支社】県議会(新里米吉議長)6月定例会は11日の最終本会議で、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設をめぐり、県が行った埋立承認の撤回を国土交通相が取り消したのは違法だとして国を提訴する議案を、賛成多数(賛成24、反対19、退席1)で可決、成立した。
採決の前に、親川敬氏(おきなわ)は同議案に対する賛成討論で「県が行った取消処分は適法に行われたものであり、国土交通大臣が行った裁決こそが第三者性、中立性、公平性を欠いた違法な裁決だ。沖縄県民の願いを踏みにじるものだ」と述べた。
反対討論では、末松文信氏(沖縄・自民党)が「世界一危険と言われている普天間飛行場の危険性の除去を、これ以上遅らせることは県民の本意ではない。一刻も早く安全で安心な住環境を確保することが重要かつ喫緊の課題だ」と説明した。
一方、中国公船による尖閣諸島周辺での領海侵入については、同本会議で意見書を全会一致で可決したものの、自民党が提出した「中国公船による領海侵入に関する抗議決議」は反対多数(賛成14、反対24など)で否決された。
同抗議決議の賛成答弁に登壇した宮古島市区選出の座喜味一幸氏(沖縄・自民党)が「沖縄の圏域、そして日本の主権を保全するという意味で、尖閣に外国の船がわが物顔で入ってくることを抗議することは当然なこと」としたのに対して、宮城一郎氏(社民・社大・結)は「先ほど、同趣旨の意見書が全会一致で可決された。しかし、関連して提出された抗議決議は何を残すのか。疑心を残しかねない。提出するべきではなかった」と反論した。
このほか、同本会議では県税条例の一部改正案などの条例議案12件、議決議案15件、同意議案4件、有機フッ素化合物対策の実施を求める意見書1件も可決された。