目標は「愛される選手」/プロ野球ロッテ・伊志嶺翔大外野手
「走・攻・守」生かし レギュラー獲得へ照準
宮古島市出身者としてプロの球団から初めて1位指名を受け、前年リーグ3位から初めて日本一まで上り詰めたロッテへの入団を決めた。プロ野球選手としての目標は「ファンに愛される選手」になることだという。1年目の成績目標は100試合出場を掲げる。
走・攻・守そろった野球センス抜群の身体能力が持ち味。世界大学野球選手権では日本代表の主将を務めるなど精神的な強さも高く評価されている。昨年のドラフトではロッテとオリックスが1位指名、抽選の結果ロッテが交渉権を得た。
その後伊志嶺は同球団入りを決意。すでに契約を済ませ、プロ野球選手として歩み始めている。「ドラフトにかかるまではもやもやした気持ちだったが1位指名を受けて本当に安心した」と当時の心境を振り返る。
ロッテの印象は「チームワークが良く12球団の中で最も選手や監督、ファン、フロントが一丸となっている印象がある」と話した。
目指すべきプロ野球選手はイチロー。「走攻守そろったレベルの高い選手。自分もそういう選手を目指して頑張りたい」と話した。
プロ1年目は「1年間を通してとにかくけがをしないこと。試合に出場し続ければおのずと良い結果がついてくる。訪れるチャンスをしっかりとつかまえたい」と話し、プロ野球選手として体の管理を徹底する考えを示した。成績では「まずは100試合出場、盗塁30個以上が目標。そのほかにも目標はあるけれど、一つ一つ達成していきたい」と自信をみなぎらせた。
プロを目指すと決意したときから体づくりを重視した。その上で精神面を強化。「一番意識した部分。どんな場面でも自分のプレーができるよう心掛けてきた」と話した。
宮古島市の関係者に対しては「素晴らしい宮古島で育ったから今がある。小、中学校時代にかかわった方々に心から感謝したい」などと話し、プロ野球界で活躍して恩返しすることを誓っている。
父秀行さんは「プロは夢のよう。ファンに夢と感動を与える選手になってほしい」と息子の活躍を期待。母史子さんも夢の実現を喜ぶとともに「感謝の気持ちを忘れずに息の長い選手として頑張ってほしい」と感謝の心を持ち続けるよう息子にエールを送った。
多くの激励を受けてプロの舞台に立つ伊志嶺。「ファンはもとよりプロ野球を見てくれるすべての方に人間的にも認められ、愛される選手になりたい」と力強く話した。
伊志嶺 翔大(いしみね・しょうた) 宮古島市下里の出身。南小、平良中を経て沖縄尚学に進学した。同校では2年時に春夏連続で甲子園に出場。卒業後東海大に進学、2年春から左翼でレギュラーを獲得し複数回ベストナインを受賞、4年の全日本大学選手権では首位打者に輝き準優勝に貢献した。世界大学野球選手権では銅メダルに輝いた日本代表の主将を務めた。
右投げ右打ち。走攻守そろった選手で、特に50㍍5秒7の俊足に強肩を兼ね備えた堅実な外野守備に関して評価が高い。
兄の大吾さんは沖尚野球部のコーチ。弟の大地さんは東海大学野球部に在籍。2008年春には沖尚ナインとして全国制覇を成し遂げている。