3600億円規模を要請へ/県、来年度振興予算で
【那覇支社】県は29日、国への2020年度沖縄振興予算の要請に向けて庁議を開き、振興予算で3600億円規模を確保するよう要請することを決めた。このうち、沖縄振興一括交付金は1800億円規模を確保することを求める。玉城デニー知事は、8月5、6日に宮腰光寛沖縄担当相や県選出国会議員などに要請を行う。
一括交付金の内訳としては、「県と市町村の切実な要望」として、沖縄振興特別推進交付金(ソフト交付金)800億円前後、沖縄振興公共投資交付金(ハード交付金)は1000億円規模の確保を目指す。
具体的には、ソフト交付金は、新たに多言語による観光案内や医療通訳コールセンターなど、増加を続ける外国人観光客に対応するための施策を盛り込んだほか、離島航路運航安定化事業や離島住民等交通コスト負担軽減事業といった離島振興や、観光インフラ強化などで前年度より236億円増の797億円を求める。
ハード交付金では、社会資本整備や離島の水道施設整備、農山漁村地域整備の拡充などで市町村からの要望が強かったとして、前年度より481億円増の1013億円の確保を目指す。
また、航空機燃料税の軽減措置の延長などの沖縄振興税制や、国民健康保険事業、鉄軌道の早期事業化に向けた取り組みなどの要請も行う。
県は、3600億円規模の要請を昨年度も実施している。沖縄振興予算は、2014年度の3501億円から18年と19年には3010億円にまで減少。これに伴い、一括交付金も14年度の1758億円(ソフト交付金826億円 ハード交付金932億円)が19年度は1093億円(ソフト交付金561億円 ハード交付金532億円)と、大幅に削減されている。