観光業と環境保全両立を/本紙企画
「観光座談会」 5氏が展望語る
宮古毎日新聞社は7月30日、本社で「観光座談会」を開いた。リゾートホテルや航空会社、クルーズ・遊覧事業社など観光に携わる企業の代表者らを招き、宮古観光の現状や課題、将来展望などを聞いた。出席者からは、好調な観光業を持続していくには需要と供給の好循環を実現するとともに、観光業の発展と環境保全を両立できる島を目指すことが重要だとの考えで一致。持続可能な観光地形成へ向け、官民一体となった取り組みが必要だとの認識を示した。宮古観光の魅力は「青い海と白い砂浜」だとし「維持するためにどういう活動をするかが大切になってくる」と話した。
座談会は8月1日の「観光の日」、8月の「観光月間」にちなんで企画した。
出席者は宮古島東急ホテル&リゾーツ総支配人の吉井良介氏、下地島エアポートマネジメント社長の伴野賢太郎氏、南西楽園リゾート専務の山室美緒子氏、はやて専務の三浦宏氏、全日本空輸宮古支店長・宮古空港所長の香取尚氏の5人。
座談会で吉井氏は、入域観光客が急激に増えたことを挙げ「地元の人たちが自分たちの生活が向上したと実感しなければ、地域の持続的発展にはつながらない」と述べ、島全体が潤うことが大切だと語った。
伴野氏は「観光の好調さを維持させないといけない。われわれは、好調さを維持できるポテンシャルが宮古島にはあると考えて投資している」と強調し、「雨の日の観光や観光インフラを整えること」が課題とした。
人材確保の観点から意見を述べた山室氏は、「夏に合わせて人を採用すると、冬は人件費オーバーになる。デュアルワーカーなど、季節波動に合わせた柔軟な雇用を検討していく必要がある」と語った。
三浦氏は、「『あそこの会社に就職したい』と思ってもらえるような会社にしていくことが、地元への恩返しになる。売上げをアップさせ、利益を残して法人税を納めることも一つの貢献と考えている」と述べた。
香取氏は、「宮古島ではクレジットカードが使えるところが少ない。今はキャッシュレスの時代。国内や海外からのお客さまが現金を持ち歩かずに買い物できる島づくりを考えていかなければならない」と提言した。
5人とも宮古観光の魅力は「海」「星空」「癒やし」を挙げ、「それらを守り続けることが使命」と語った。